コラム
創業40周年を迎えて -代表取締役会長 堀口克己-
平成20年6月1日、水仙は40周年を迎えることが出来ました。
ひと言で40年と言いましても、私にとって「あっという間の出来事」に思えてなりません。しかし思い返してみると、私は実に沢山の方々に支えていただき、やっとの思いでここまでたどり着いた、と言えます。
この度、その恩返しの気持ちを込めて、ささやかな式典および、祝宴を設けました。
今日まで、当社が順調に事業を続けることができましたのは、一重に、地域社会の皆様、そして日々業務にいそしんでいただいております従業員各位のお陰です。心より感謝申し上げます。
この式典を挙行するにあたり、この不景気な時代に、水仙はなんと派手なことを・・・と思われた方もあったのではないでしょうか。正直申し上げて、私どももいささかためらいもございました。しかし、私は一つの目的のため、今回の式典開催を決意するに至りました。
それは、より確かな事業継承をするためです。今から2年前、平成18年10月に、私は会長職につき、小林に社長の座を引き渡しました。その節は御手紙だけで済ましてしまい、表立ったお披露目は行わなかったので、今回、2年を経過したとは言え、40周年のお祝いと共に、遅ればせながら、社長交代のお披露目を挙行させていただこうと考えました。
20世紀末から21世紀へと移行する中で、事業環境は激変し、多くの企業が生き残りをかけた壮絶な戦いの時代に突入しております。その中でも、事業継承問題は、会社の大小を問わず、日本の繁栄の時代が産み落とした、大きな社会の課題になっております。
例え中小企業と言えども、その存在・役割は、社会の公器であって、決してわたくしごとにしてはならない、と常日頃私は考えておりました。ですから例え身内だからといっても、実力でのし上がってくるのが当然であり、経営という重大な仕事を安易に引き継がせるものではない、というのが、私の持論でした。
今から14年前の平成6年、以前から親交の深かった慶応大学の卒業生グループの1人である、小林が当社に入社して以来、私は密かにこの小林が経営トップに育ってくれればいいなあ・・・と思い続けておりました。
私は、様々な経営課題について彼と激論を交わす中、またIT技術の進化を目の当たりにする時、スピードかつ論理的な判断力が要求される時、また私自身の体力の衰えを感じる時、そして小林の年齢的充実期を考えた時、私は、タイミングは今しかないと判断し、バトンを渡すことにいたしました。
どうか皆様、この新しい社長を、私同様、何とかご支援下さいますよう、心からお願い申し上げます。
割烹水仙を創業してから40年。私は妻と共に、文字通り、ただ働くだけで生きてまいりました。今ここにこうして立っていられるのが、夢のような気持ちでいっぱいです。本当に皆様のお陰です。
私は、これからも会社事業を通し、せめてものご恩返しとして、諸先輩方の御指導を仰ぎながら、当社を育てていただきましたこの地域社会に、身をもって貢献してまいりたいと考えております。
どうか宜しくお願い申し上げます。
ここに私の座右の銘とする言葉を2つほど紹介させていただきます。
アメリカの実業家であり詩人でもあるサムエル・ウルマンの「青春」という詩にこういう下りがあります。
青春とは人生のある期間ではなく 心の持ち方を言う
歳を重ねただけで人は老いない
理想を失う時、初めて老いる
人はいつでも高い理想を掲げて、絶え間ぬ努力積み重ねていかなければならないと思うのであります。
また、私は将棋が趣味なのですが、今は亡き升田幸三名人が「いまだ山麓」ということをおっしゃいました。私はこの言葉に大変な感銘を受けました。その分野で頂上を極めた名人が、「今やっと山もふもとにたどり着いたばかりだ」とおっしゃられた訳です。
恥かしながら、人の一生は、霊峰の頂を仰ぎ見ながら、極めることなく上り続ける旅路ではないかと、私はいつも思っております。
地域社会の皆様、協力会社の皆様、新体制となった当社には、これからもまだまだ多くの厳しい試練が続くと思います。当社は至って未熟な会社であり、社会からも、厳しい経営姿勢が問われる時代になっております。
どうか皆様、末永く、当社を見守っていただき、これからも多岐に渡り、ご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
従業員の皆さん、いつも本当に有難うございます。皆様の努力が今日の水仙を支えております。そしてこれからも、当社が永続的に繁栄し続けるには、皆様のより強い結束が必要不可欠です。是非、小林社長の下で一致団結していただく事を、心よりお願い申し上げる次第であります。
創業40周年と社長就任の挨拶 -代表取締役社長 小林高暁-
皆様には日頃より、大変お世話になっております。
ここに創業40周年を迎えられましたことを、心より感謝申し上げます。
私は一昨年10月、社長を拝命いたしました。一般的には、血縁関係者が事業を引き継ぐというケースが多く、その方が、社会的納得性が高いものと思っておりました。また、私はまだまだ若輩者でございますし、どちらかというと今までどおり番頭として、会社を支えていくつもりでいました。
しかし堀口の意志は固く、私は意を決するにいたりました。私は、堀口夫妻が営々と築き上げてまいりましたこの40年の、努力と忍耐の歴史に心から敬意を表し、粉骨砕身、事業に身を捧げてまいることを決心いたしました。
どうぞ皆様、堀口同様、重ね重ね、宜しくお願い申し上げます。
さて、当社の事業環境についてご説明申し上げます。
私共を取り巻く、「食」に関する事業環境は、皆様も既にご存知の通り、あらゆる面で厳しさを増しております。
特に今後予定されています、消費者庁の新設や、JAS法の見直しも含めて、新たなる法整備が進むことだと承知いたしております。これからの食産業は、安心・安全・健康・環境といった要素を強化していかなければなりません。その為には、会社全体の総合的管理体制を、更に充実させていかなければならないと考えております。
営業面を申し上げますと、当社の主力事業であります、葬儀・法事に関する仕出し料理は、高齢化社会とは言え、昨今は消費の低迷が著しく、思い通りに売上を伸ばすことができず、苦戦を強いられております。皆様にはより一層の営業協力を改めてお願い申し上げます。
しかしながら、一般・ケータリング事業におきましては、お陰をもちまして、新規の顧客取り込みに数々成功しており、今後に明るい期待が持てます。
今後、当社のコアコンピタンスを生かし、人々が食に集う、あらゆる場面に、食事とサービスを提供してまいりたいと思っております。そう言う意味合いにおきまして、このケータリング市場は無限にあると言うことが出来ると思います。
店舗及び調理生産体制と致しましては、本社のある不動前地区と池上本門寺にあります花むらブランドの二極化集約を図り、人間の五感を生かした品質の高い料理作りを目指してまいります。
資材調達面では、仕入れ食材の高騰が相次ぎ、コストUPが事業の先行きを限りなく不透明なものにさせています。当社は9月決算でありまして、来季に向けての予算作成において、利益体質を創出するための、新たなる様々な施作が必要となってきております。
本社部門においては、理論原価の分析や、コスト管理などを行い、戦略的にマーチャンダイズ機能を高めてまいる予定でございます。
最近では、地球環境対策に少しでも貢献できたらと考え、当社は「チームマイナス6%」の活動に、法人加入いたしました。一例を挙げれば、私どもが廃棄していた、おびただしい量の割り箸を回収し、洗浄・乾燥をさせ、製紙メーカーに送付することを開始いたしました。
また、地元のお祭りの直前には、町内清掃などを行い、地域への貢献と共生を推進しております。
この様な活動が、社員独自の発案により、自主的に行われていることを、私は大変喜ばしく感じています。
企業は事業に取り組む姿勢が問われております。その事業姿勢が正しければ生き残れる。間違えていれば淘汰の波に沈んでいく。私は喜んで自然の摂理に挑戦して行こうと思います。
私は「儲かっている会社ですね」と言われても嬉しくありません。「忙しくて羨ましいですね」とも言われたくありません。
私は「良識ある会社ですね」と言われたいのです。そういう会社作りが出来れば、必ずや我々は未来を確信することが出来ることでありましょう。
改めて、この場をお借りして、従業員の皆様に申し上げたいことがあります。
次期アメリカ大統領候補オバマ氏は、先日、候補指名受託演説において、故マーチンルーサーキング牧師の演説を引用しました。
私はこれまでの2年間を回想した上で、私もキング牧師が、演説の冒頭で使われた言葉を引用いたします。
それは、"I Still Have A Dreem"です。
困難な状況は、今しばらく続くかもしれませんが、やがていつか皆様の希望を確信に変えられるように、また、夢を現実としてこの手に納められるように、"I Still Have A Dreem"と申し上げたい。
その為に、従業員の皆様にお願いしておきたいことがあります。
会社の中では、報告・連絡・相談が重要なことであることは言うまでもありません。しかし、その前に必要なことは、まず自分が判断する立場だったら、どうしたら良いか、必ず自分の力で考えてみる、と言う癖を身につけていただきたいのです。
私たちは、日々業務を遂行するに当たり、様々な事象が発生し、誰しもが判断に迷う時があると思います。
「YESかNOか」
「右か左か」
正解など無い問いかけもあるでしょう。
神のみぞ知る選択を、私たちは日々迫られ、対応を求められます。
もし、判断に迷い、しかし決断をしなければならない時、どうしたらよいのか。
そう言う時に直面したならば、決して逃げずに、まず自分の力で考えていただきたい。
そしてそれを考えるにあたっての基軸は、どちらが善か悪かであり、長い目で見て、お客様のプラスになるのか、マイナスになるのかであり、そして人の道に照らして、どうあるべきか、なのです。
勇気を持って自分の力で考え、まずどうあるべきかを自分の中に問うていただきたい。言われたからやる、のではなく、自ら考えて行動することに価値があるのです。
組織の機能を充分に発揮させる為には、もっと権限を移譲していかなければならない。もうその時期は確実に迫っているのです。
そうして自主・自立・自己責任の精神が、各職場の中に生育するならば、やがて活気ある職場が生まれ、お客様に真に愛される会社になり、いつか皆様の胸に、仕事へのやりがいとなって戻ってくるはずです。私は心からそう信じています。
従業員の皆様、日頃のひたむきな勤務に私は心から敬意を表します。
これからも共に頑張っていきましょう。
弊社創業以来、今日まで公私に渡り御支援して下さいました地域の皆様、また、いつもご無理を申しあげております協力会社の皆様、本当に有難うございます。
私どもは、まだまだ発展途上の会社であります。
是非、今後とも、広範にわたり、御指導御鞭撻を賜りますよう、お願い申しあげます。
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